ホムンクルスには複数の意味がある。
錬金術師によって作られる人工生命体。
(1.からイメージを借りたもの)古い時代の生物学での前成説において、人間の精子の中に入っているとされた人間の雛形。→胚発生を参照。
体性感覚において脳機能局在論による脳皮質の該当区分のこと。体性感覚参照。
この項目では1.のホムンクルスについて述べる。
ホムンクルス(Homunculus)は、ヨーロッパの錬金術師が作り出す人工生命体。またはその生命体を作り出す作業のことである。
製法は、フラスコに人間の精液と数種類のハーブ、ウマ 馬糞を入れて密閉し、馬糞が発酵する温度で保温する。四十日経過すると、フラスコの中に透明で人間の形をしたものが出現する。しかしこれにはまだ実体が無いため、人の生き血を入れさらに四十週間馬の胎内の温度で培養する。この間、毎日生き血を与えなければならない。フラスコの外に出したり、生き血を与えるのを止めるとすぐに死んでしまう(そのフラスコは、メルクリウス メリクリウスの器でなければならないという)。こうして完成した生命体は人間の子供と同じ姿をしているが、体躯は人間のそれに比するとずっと小さい。ホムンクルスは、生まれながらにしてあらゆる知識を身に付けているとされる。
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